立ち読み6~第二章 その3
消えた志跡!? ~今肥市・道遥津古戦場・他~再会した英雄:張遼
2ヶ月後。「游学生活最期の三国志跡巡りは火車(きしゃ)で二夜過ごし3日目の朝から始まった。」 何ともスケールの大きな旅である。行き先は合肥・鎮江方面。上海付近といえば一般的だろうか。成都という中国大陸の西の端から東の端まで遥々一気に来たのである。ここでは久し振りに現代中国への呆れぶりが炸裂。しかし、嘗てのようにどうしようもなく落胆する様子はなく、それだけ中国に馴染んだということだろう。
死して尚、想ふ~馬鞍山・朱然墓~再会した英雄:朱然
この度はただの墓ではなく、発掘された墓の中味まで見られた。近年発見された呉の武将、朱然の墓である。蜀士にとっても棺を見たのは初めてだった模様。そのせいか、他とは違った異質な雰囲気が漂っている。内容的にも中国文化を知ることのできる貴重な項。
白い現実~鎮江市・大史慈墓他~再会した英雄:劉備・孫権/大史慈
この項の後半は『三國志游學記』全体を通して最も衝撃的で示唆に富んだ内容かもしれない。蜀士が6年間一貫して感じた現代中国人の自国の歴史や文化へ接する態度。この項はそれを象徴し、物語るものとして余りあるだろう。と同時に読者も多くのことを考えさせられてしまうのではないだろうか。
永遠なる英雄~盧江・周瑜墓他~再会した英雄:周瑜
この周瑜との再会により、蜀士の6年にわたる「三國志旅游」は終わる。末よければ全てよし、蜀士にとっても読者にとっても納得のいく内容だ。そして再び、「荊州城」の項と通じる“読んでいて澄み切った楽しさと心地よさ”を感じる。全体的に饒舌でスムーズな文体で描かれているが、それが旅を終えた満足感なのだろうか。共に歩き続けてきた読者にとっても心地よい旅の終わりである。因みに後日談だが、当時蜀士はこの後、もう一度大きな旅をしようと思っていたらしい。それが実現していれば『三國志游學記』はもう一章追加させられていたかもしれない。それくらい大掛かりな「最期の旅」を計画していたという。しかし、流行病SARSの騒動により、未遂のまま帰国することとなったのである。残念といえば残念だが、お蔭でこの『三國志游學記』の続編の期待も残されたと受け留めたい。何れにしてもかくして旅日記は終わったのである。
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